「こっちにいたのか」



嶋村くんが戻ってきた。

ソファでなくて暖炉の前にいたのかと言っているのがわかる。



「こっちなら寒くないでしょ?」

「そうだな」


ふっと優しい笑顔で返す嶋村くん。

今日は心配かけなくて良かった。と私も安堵する。




「雪姫〜」

風呂上りの空人が小走りに近付いてきたと思ったら…いきなり抱き上げられた!?



「な、なんでっ!?」


「さっき抱きしめられなかったから」


「はあ!?」
「はあ!?」
「はあ!?」


「あははっ!3人とも見事にハモったね」


「いいから、雪姫を降ろしなさいよっ」


空人にお姫さま抱っこされた私。

奏波のブラシ攻撃ですぐに降ろしてくれたけど…。

嶋村くんが見てると思うだけで恥ずかしくなった。



空人と奏波が言い合いながら朝食の用意されたテーブルに座り、そのままパンを食べはじめた。