なんか新鮮だった。
奏波と嶋村くんのやりとりなんてあまり見たことなかったから。
奏波は空人だろうが佐藤だろうが知らない男の人だろうが基本的に態度は同じ。
男のほうが奏波に従うか、空人みたいに引かずに言い合うかのどちらかだ。
でも嶋村くんが意外だった。
奏波と同じチームだからどの玉を狙うか話すことは話すが…。
なんか素っ気ない口調。
いつの間にか、奏波のことをお嬢と呼んでるけどそれだけ。
なんか腑に落ちなくてクラスでの嶋村くんを思い出すけど…。
常に男子とばかり話してて女子と話してるところが思いつかなかった。
あ。
そうだ。
この前の下駄箱で嶋村くんに声をかけた他のクラスの女子。
嶋村くんの態度が少し冷たいくらいに素っ気なかった。
奏波に対しても冷たい印象が無いだけで似た態度なんだ。
思わず小声で空人に話かけた。
「あのさ、嶋村くんっていつも奏波にあんな話し方だった?」
「ん?どんな?」
「う〜ん…。私とは普通に話してるけど」
「あ〜、そういうことね。正騎はいつもお嬢にはあんな話し方だよ」
「そうだっけ?」
「というか、言われてみればお嬢ともほとんど話すことが無いな。お嬢が話しかけて正騎が返事する程度?」
「そうなの!?」
「正騎は野郎共とは話すけど女子には素っ気なさすぎるよね」
「そっか。中学から知り合いの私は男子側の扱いなのか」
話しを聞いて納得したのに、空人が納得してない表情で頷く。
「……そうだね」