「上手いじゃん」


『…全然です。』


「癒やされる声だったよ」


『…ありがとうございます』


「何で俺と歌いたいの?」


『青海さんなら、私の見たい景色を見せてくれるってそう思ったから…』


「見たい景色?」


『聴いてくれている方たちみんなが笑顔になって、元気がみなぎる瞬間。』


「それは俺じゃなくてもできるんじゃない?日奈ちゃんのスキルならひとりで十分だと思うけど。」


『…私じゃダメなんです。青海さんとじゃなきゃ…』


「俺と…じゃなきゃ…。」


『私ひとりじゃ満足できる歌はお届け出来ない…青海さんのお力を貸してほしいです…』


「満足ね。…って言われても俺、集客数ゼロのライブ毎日やってんだよ?」


『みなさん、青海さんの凄さに気付いていないだけです…』