「聴いてくださり、ありがとうございました」



私もこんな風に…



『あの…私…』



こんな風になりたいんだ。



『私も…あなたと一緒に路上ライブさせてくれませんかっ…!』



路地裏に響く私の声

思った以上に出てしまった

周りに人がいなくて本当に良かった…



「君、年はいくつ。」


『17…です』


「高校生?」


『いえ…中退したので高校生ではないです…』


「名前は?」


『結城日奈です』


「日奈ちゃん。ずっと聴いててくれたよね。ありがとう。またいつでも遊びに来てね。」



相手にしてくれなかった…

そりゃそうだよね、急に一緒に歌わせてくれなんて…