「俺、リレーのアンカーやるから。
星祈に、応援して欲しい」


「えっ、うん、もちろん!!」


私が頷くと、碧都はニコッと微笑んでから、


「じゃ、それだけだから、またね」


そう言って、一之瀬くんと一緒に行ってしまった。


「………っ、」


ドキドキ心臓がうるさい。


不意打ちすぎるよ……


碧都の言葉と行動一つで、私は、こんなにもドキドキしてるのに……


碧都はそうじゃない。っていう事実がすごく……


────苦しい。


私は、そんな碧都の後ろ姿を人混みの中で、見失うまで、見ていた。