「あっ、俺!碧都と同じクラスの一之瀬 樹って、言います!」


碧都はクールなイメージだけど、一之瀬くんには、爽やかなイメージが思いつく。


「初めまして、碧都の幼なじみの七瀬 星祈です」


「それにしても、七瀬さん、やっぱ、近くで見ると……かわい──ったぁ!」


碧都が一之瀬くんの頭をバシッ、と、叩いた鈍い音がする。


「何だよー、いきなり叩くなよー」


「ごめん、星祈。もう、行くから」


「う、うん、またね!」


碧都は、そんな一之瀬くんを気にすることなく、一之瀬くんの腕を引っ張っていく。


「あっ、星祈!」


碧都が突然、振り返って……また、私の近くに戻ってくる。