「おはよー!」
私は毎日、幼馴染みに挨拶をする。
「‥。」
何も言わないけど、こっちを見ててくれるだけ嬉しい。
その視線は、幼馴染みを見る目。
「‥っ。」
君にバレないように、少しだけ唇を噛み締める。
「ね!今日さ、先輩に会えたんだよー!」
「良かったな。」
そう、顔色一つ変えることなく返す君。
ねぇ、何で私たち幼馴染みなのかな‥。
「また会えるかなぁー?」
そうやって、苦しい嘘をついても。
「そりゃ会えるでしょ、おんなじ学校なんだから。」
って、冷たい言葉が返ってくる。
「なんでそんな酷いこと言うのー!?」
泣きそうになるのを、堪えて言う。
ーーー君は知らないんだろうね‥。
この言葉が、私の本当の本音だってこと。
いつも当たり前にそばにいるから、気づかなかった。
ずっと私が君の隣だって思ってたのに。
涙が溢れそうになるから、頬を膨らませて怒ったフリをして。
「冗談だよ。」
と言い、私から逃げる君を追いかける。
ーーー私たちの道は、永遠に交わらない。
いつからか、分かってた。