「結構注目されてんねー」



「はうわっ!!?」




突然、背中からギュッと抱きしめられて変な声を出してしまった。



抱きしめたのはもちろん……




「……堤くん……」



「なにーっ?」



「なにじゃなくてっ!離してよっ!!」



「えー、やだー」




やだって……思わず唖然としてしまう。


隣にいた凌はというと……




「謙吾───っ!!?」




と叫んで固まっていた。



凌が叫んだ瞬間、堤君が私の後ろからひょこっと顔を出した。




「あれっ?凌ちゃん?」



「へっ……?知り合い?」




私がそう言うと、凌がハッとしたように私から堤君を引き離した。




「佳世、謙吾には近付いちゃダメっ!!」



「でも、隣の席だし……」



「妊娠したいのっ!!?」



「にっ、妊娠!!?」




バッと堤君を見ると、酷いなーと言いながらにこやかにこちらを見ていた。


そして凌を見ながら真剣な顔つきでこう言った。




「凌ちゃん、俺は妊娠させたことはないよ」



「女と見れば抱きまくりのくせにっ!!」



「それはそれだよね★」




あははっと笑いながら言う堤君を見ていると、一瞬めまいを覚えてしまった。