ポケッと彼を見ていると、彼は私の前までやってきて、私を指を指しながら大きな声を出した。




「う──わ──かわいーっ」



「ふぇっ?」



「えっ、なに?噂の佳世ちゃん!!?」



「は、はぁ……」





テンション高い人だなぁ……

呆ける私をよそに、彼はひとりで話を進めてる。




「わー、よろしくーっ!俺、2組の今池秀弥っ!好きに呼んでねーっ!あ!今池君ってのはナシねっ」




そして、私の両手を握って握手してきた。


なんか……誰かに似てる…



そう思った時、グイーッと引っ張られて、気付けば誰かの腕の中にいた。



まあ、誰か……って、彼しかいないけど。




「ヒデっ!佳世ちゃんには手出すなって!」




私を抱きしめているのは、もちろん堤君。

ムスッとしている堤君に彼、秀弥君は平然と返す。




「い~じゃーん?」



「よくねぇよっ」




ガルルルッと、威嚇してる雰囲気の堤君。


ていうか、いつもと性格違う……


そして、私は気付く。

秀弥君って、普段の堤君に似てるんだなーと。

類は友を呼ぶってやつ?




冷静にそんなことを思いながらも、この状況をどうしたものかと考えていると




「うるさい」




秀弥君の後ろに、あまりの騒がしさに目が覚めたらしい、凌が立っていた。