「つ、と、なっ!!?」



訳すと

『堤君、突然何!!?』



私の焦りようを見た堤君は、ニパッと笑う。




「いつまでたっても佳世ちゃんは、初々しいなー」



「もーっ!!離してよーっ」



「んー、ヤダー」




抱きしめられてるから、殴ることも出来ないし……

私がアワアワしていると突然、堤君がちょっと私を離してにっこりした。




「………?」



「佳世ちゃん、ちゅーしよっ」



「……」




一瞬、言葉が理解できなかった。


いや、理解したくなかった。




「かーよちゃん?」




堤君が顔を覗き込んできたからハッとする私。




「む、無理無理無理っ!!できないっ」



「なんで──?」



「だ、だって……!」




どうすることもできなくて俯いてしまう。


恥ずかしすぎて絶対、顔真っ赤だよ……






と、その時




ガラッ





「ヒデ様のおなーりーっ!!」





突然教室のドアが開いたかと思うと、ひとりの男の子が入ってきた。


はわっ………


堤君に負けず劣らずかっこいい………



私は、顔が真っ赤なのも忘れて彼を凝視してしまった。