わたしが行ったところで、自分に似合う色なのかも見れないし。
2人に気を遣わせることになりそうだから。
……でも、ちょっと行きたかったな。


女の子らしい、メイク用品とかお互いに選び合いっこしてみたい。
わたしは自分にメイクすることも、あまり得意ではないけれど。



「……な、…ひな、…雛!」


「あっ、なに…?
ごめんね、ぼーっとしてた。」


「大丈夫?体調悪い?」


「ううん、平気。」



やってしまった。
夜空の前で、ぼーっとするなんて。
優しい夜空のことだから、心配するに決まってるのに…。


もぐもぐと、机の前のお弁当を手をつける。
今日も、夜空と空き教室でお昼ご飯。
わたしは、お母さんが作ってくれたお弁当。
夜空は…多分、いつもの購買のパン。

さっき、袋を開けるガサガサした音が聞こえたから。