一通り身支度を済ませて。
お父さんの待っている車に乗り込むと、そのまま学校へ出発した。



「じゃあ行ってきます。」


「ああ、雛も頑張れよ。」


「お父さんもね！」



車を降りて、校舎へ向かっていると。
後ろから、トントンと肩を叩かれた。


きっと、雰囲気的に…夜空かな。



「おはよう、雛。」


「あ、やっぱり、その声は夜空だった。
おはよう。」


「やっぱりってなに？
朝はいつも僕が教室まで連れていってるでしょ。」


「あはは、そうなんだけどねえ〜。」



昨日のテレビの話とか、今日までの提出物の話とか。
くだらない話をしながら教室に向かって、1時間目の授業を受ける。


授業が終われば、10分の休憩が挟まるからそこで仲良しのお友達とお話する。


学生からしたら、当たり前のこと。
もちろん、わたしも学生だから当たり前だと思ってる。


…でも、そんなわたしだからこそ。
当たり前だと思えないこともある。