「ねえ、夜空。」


「どうしたの雛。」


「マラソンは、どうだった?いつもみたいに1位になれた?」


「当たり前だよ。
昔から…雛が1位になれるよって言ってくれたあの時から。」


「ふふ、そっか。
おめでとう、さすがだね。」


「そうだよ。だから沢山褒めてね。」



よしよし、と。
頑張ったねって気持ちを込めて夜空の頭を撫でる。


癖のないサラサラの髪が指の間を通っていくのが気持ちよくて。
このまま傷みの知らないサラサラの髪でいてほしいなあ、って思わず思うくらい。



「幼稚園の頃、雛が1番の夜空かっこいいって。
僕に笑ってくれた時から、僕は君の1番でありたいと思うよ。」


「夜空…。」


「僕は雛が好きだから。好きな子の1番でありたいと思うのは当然だ。」