「雛の手、冷えちゃってる。」


「夜空はあったかいね。」


「焦ったからね。」


「ふふ、ごめんね。」



なんて会話をしながら帰路に着く。

小学生の頃から変わらない。
夜空はずっと一緒にいてくれてる。




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「じゃあ、また明日ね。雛。」


「うん、また明日。」



家まで送ってくれた夜空。

わたしが玄関のドアを開けると、夜空の歩き出す音が聞こえた。



「ただいま。」


「おかえり、雛。先にご飯食べる?」


「うん、お腹空いたあ。」



今日のご飯はなに?と。
お母さんに話しかけながら、キッチンで手洗いを済ませる。


この香りは、多分カレーかな。
お母さんのカレー美味しいんだよね。
スパイスから拘ってて。



「そういえば、今日お隣の奥さんから聞いたんだけどね。
夜空くんが……」



お母さんとダイニングでカレーを食べながら今日あったことを話す。


お父さんは夜遅くまでお仕事だから。
基本、夕飯はお母さんと2人。