何様だよっ!!
あたしのためにかがめた身体をまたすっと元に戻した宮城にそう言ってやろうとして……やめた。
今更気付いちゃったけど……ってゆうか、思い出しちゃったけど。
宮城って、騒がれるくらいにカッコいいんだった。
タイプじゃないけど、整った顔で見つめられると恥ずかしくなる。
……自分の顔に自信がないからかもしれないけど。
肩までのストレートの茶色い髪は、本当は伸ばして緩いパーマでふわふわさせたいし。
丸っこい目だって、小さな唇だって、本当はもっと色気のあるものがいい。
ついでに言えば、この凹凸の少ない身体だってもっともっと……
こんな自信のかけらもないあたしだから、自信満々みたいな宮城に見られると恥ずかしくなるんだ、きっと。
見つめられると、自信のなさから宮城の目を見つめ返せなくなるんだ、きっと……
……それとあたしの恋愛経験の少なさか。
恋愛が楽しいって豪語したのに、恋愛経験が先輩との3日間だけだなんて……今更言えない。
※※※
「で? ここが里咲のお薦めデートスポットか」
「……まぁね。宮城本ばっかり読んでるから少し癒された方がいいよ」
あたしが宮城を連れてきたのは、何て事のないただの公園。
普通の公園よりは広いけど遊具なんかがある訳ではなくて、噴水があるだけ。
他はただ広い芝生と多めの木々が彩りを飾る。
早い話があたしの目の前、噴水以外は空と緑のみ。
……とても楽しいデートスポットには思えない。
「とりあえず座るか」
「そうだね……」
呆れた様子の宮城に情けなくなりながら、あたしは頷く。
「……」
「……」
無言の空間があたしを責める。
園内の少し整備された歩道を通るのは、犬の散歩をする人やウォーキングをする人。
そして、その歩道の向こうでそこそこの勢いで吹き出す噴水。
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