「……いや、激変って」

「だけど、いきなり誰かに興味を持つなんて無理な話だし、俺の性格からしたら絶対にありえない。

だからとりあえず里咲が俺に教えろ。恋愛のナンタラを」

「はぁぁあ?!! 嫌! 絶対に嫌!! ってゆうかなんであたしが教えなくちゃならないの?!」

「俺に損してるって事を気付かせたんだから、その張本人が責任取るのは当たり前だろ」


本当に心の底から「当たり前」と思っている様子の宮城に、あたしは開いた口が塞がらない状態で……

反撃の言葉を必死に探す。


だってだってだってっ……こんな奴に恋愛教えるなんて絶対に嫌!!

ってゆうか恋愛って教えるようなモンじゃないし!!

こいつ絶対、恋愛が勉強できるもんだって勘違いしてるし!!

これだから頭のいい奴はっ……


「えーっと……あっ! ねぇ、あたしじゃなくてさ、あの子達にしなよ!!

ほら、あそこで宮城見て騒いでる女子! その方が勉強になるって!!」

「……いや、無理だろ。大体、俺に好意を持ってるような奴とそんな事したら、後々色々と問題が起きるだろ。

そうなったら面倒くさい。それにあそこにいる奴らが里咲と同じような価値観を持っているとも限らないしな」

「……」


いや、持ってると思いますけど。

宮城を思って毎日昼休みにうちのクラスのドアに張り付いて眺めてるんだから。

あたしと同等の価値観だと思いますけど。

ってゆうか、宮城が特殊なんだってば。


「……大体、教えるって何を? 恋愛感情なんて教えられるもんじゃないんだけど」


教えられて恋愛するなんてナンセンスですよ、宮城さん。



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