《太一:もしかしたら風が人を殺すのかもしれない》


歩いているとそんなメッセージが届いてあたしは顔をしかめた。


《美聡:どういうこと?》


《太一:窓際にいた生徒たちが次々死んでいくんだ。そのとき、必ず風が吹いている》


太一からのメッセージにあたしはその場に立ち止まってしまった。


風が人を殺す……?


ふと空を見上げるとどこまでも青く透き通っていて心地いい。


視線を戻すとあちこちに転がる死体。


もしも風が人を殺しているのなら、この人たちが死んだのも風のせいだということになる。


そして今外にいるあたしは……。


そこまで考えたとき、遠くの木々が揺れる音が聞こえ来た。