…やっぱり調子に乗らない方が良かった。
怖い。
ぎゅっと飛鳥にしがみつく。
「ほーら言わんこっちゃない。ちょっと気持ち悪くなっただろ。俺の家ここから近いから寄るか?」
飛鳥はすぐにスピードを緩めてくれた。
「うん…」
ほんと乗り物酔い嫌だな。
もう少し慣れたい。
「着いたよ」
飛鳥がバイクを停めた場所は、小綺麗なマンション。
え、こんなところに住んでるんだ…。
私が前にお母さんと一緒に暮らしていたマンションより全然新しい。
「今日は日向もいるから、ちょっと遊んで行ったら」
と飛鳥。
「もちろん!」
「お前もう元気じゃねーか…」
呆れた飛鳥の声は、私には届かなかった。