「やっぱり、分かってたよ、そんなこと。嵐には彼女がいるって分かってたのに。とっくのとうに知ってたのに。なのに、なんでこんなにも苦しくなるんだろね」



と、恋音ちゃんが呟いた。




「しかも嵐、普通だったでしょ。あいつ、昔からそうなの。女の子の告白なんてしょっちゅうあって、その度に平然としてた。もう慣れちゃったのかな」




と言う恋音ちゃんがたまらなく切なくて、私は彼女をぎゅっと抱きしめた。




「私は嵐くんに会ったばかりだし、彼のことはよくわからない。けど、告白して、振られた後に気持ちを押し殺すことってすごく辛いことだよね。気持ちを押し殺すよりは、叶わないって分かっていても好きを貫いた方がいいんじゃないかなって思う。もちろん、恋音ちゃんが嵐くんに飽きたらどうしようもないけど」




「うん…私、そうする」




恋音ちゃんの目から涙が溢れ出した。




***




私もあんな風に、綺麗に泣ける恋愛をしてみたいな。



いやなんか、さっきの感想としてはなかなか微妙だけど。