「へーでもいいなー!海華の片割れだったら絶対いい人だよね!」



「そうかな?だって、あの人暴走族入ってるみたいだよ」



暴走族っていうだけで怖いし、近づきたくもない。



隣の席だから、それは不可能に近いけど。



ていうかそもそもなんで私と大西海を同じクラスにしたんだろう。



朱里の反応は私が想像していたのとは少し違った。


「えー暴走族!萌える!」



「なんでよ。怖いじゃん」



「だって、カッコいいじゃん!喧嘩できるんだよ?」



「うーん…ぜっんぜん、萌えないわ」



朱里の思考についていけない。



喧嘩できるのは素直にすごいことだと思う。私がやろうとしても絶対にできないし。



でも喧嘩するっていうことは相手の拳とか足とかが当たって血が出たり腫れたり、酷ければ死んじゃうんでしょ。



怖くてとてもそういうやつらとは関わりたくない。