「あ、ありがとうございます…」
と俺はその手を握って立ち上がった。
その瞬間、激痛が走る。
「あー…大丈夫かお前」
彼は俺を立たせると、俺を遠慮なくじろじろと見た。
「とりあえず俺は怪我については分かんないから、医者でも行くか」
「お、おう…」
俺は痛む体をなんとか動かした。
***
「おーい」
「全くいつも煩いなぁ、海は」
としわがれた声が聞こえる。
俺たちは暗くて狭いビルの中に入っていた。
てか、こんなとこ本当に病院なのかな…。
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