「なにその偏見」



と鮎斗くんが笑う。



「ちょっとでもそういう常識のなってないやつがいるから、海華ちゃんみたいに思う人が増えるんだよなー」



鮎斗くんがため息をつく。



「暴走族は自分らで喧嘩するだけだよ。関係ない人を巻き込むのは人としておかしいじゃん」



まぁ、確かに。



なんだか申し訳ない。



暴走族っていっても、みんなが周りの人に迷惑をかけてるわけじゃないんだ。



そんな人はごく一部で、だけどそんなイメージから、暴走族は怖い、街中の何も知らない人にすぐ暴力を振るうありえないヤツだと思われてしまう。



私もその情報を鵜呑みにして、考えを変えようともしなかった。



「とにかく、恋音でも連れてけよ」



「やだよ。恋音尾行下手だし」



と断る海。



ひ、ひどい…。