「実はね、私嵐が好きなの…」
「へええ!嵐くんか!」
「声大きい!」
と唇に指を当てる恋音ちゃん。
顔がほんのりピンクに染まってて、可愛い。
「でもね、嵐には彼女がいるの」
「え…?」
「多分、いつか分かると思うよ」
恋音ちゃんは、辛い恋をしてるんだね。
好きな人の好きな人は、私じゃない。
そうだったら、どれほど辛いだろう。
私は恋愛というものをそこまで経験したことがないから、助言とかはできないけど。
でも、寄り添うくらいならできる。
私が恋音ちゃんの話を聞いていると、嵐くんがやってきた。
どうやら忘れ物をしたらしい。
「あれ、恋音…」
嵐くんと恋音ちゃんの目がバッチリ合う。
私は気まずげに目を逸らした。
もしかしたら、私が泣かせたと思ってるかもしれない。