多分、この人が朱理が言ってた転入生なのだろう。 「大西 海(おおにし かい)です」 とその転入生が口にした名前に、私はギョッとした。 だって大西って名字は、私のお父さんの名字だから。 …まさか。 な訳ないよね。 大西っていう名字は多くはないけど、少なくもない。 …うん。忘れよう。 「席は、碧の隣だな」 先生がいきなり私の方に目を向ける。 え。