ここから倉庫までは、電車と徒歩を合わせて20分ほどかかる。
電車と歩きで10分ずつだ。
高校に行くよりも近くて、しかも定期で行けるのですごく楽だ。
「やっほーっす、海さん!」
「海華さんも、こんにちは!」
海は総長なので、沢山の人から挨拶がかかる。
「なんで海華にはそんなに丁寧なんだよ…」
と海がため息をつく。
まあ確かに、私が思ってた暴走族とはちょっと違う。
私のイメージでは、総長と下っ端はあまり仲良くなくて、総長が怖いっていう感じだった。
けど、この暴走族…“桜龍”は、そうじゃない。
幹部も総長も、そして下っ端もみんな仲が良い。
まるで普通の友達みたい。
強いて言えばちょっと下っ端の子が幹部の人たちに敬語みたいのを使ってるくらいかな。