空くんの膝には、擦りむいた傷があった。
転んだ傷にしてはかなり大きいんじゃないかな。
私も昔よく転んでいたけど、ここまで大きな傷を作ったことはないかも。
空くんが涙目なのもわかる。
だって、これ絶対お風呂とか入ったら痛いやつじゃん。
「痛い痛い!」
消毒液を垂らされた空くんは叫び声をあげる。
「もーすこしだから待ってろ」
と海。
しばらくして手当てが終わり、「じゃあな」と海が部屋を出ていった。
部屋には、空くんと私が取り残される。
すると、空くんはなぜか私を睨んできた。
なんか、海とおんなじくらい怖いんだけど…。
「なんでこの家にいるの」
え…。
想像もしないことを言われて私は目を見開く。