「海華、もうそろそろ帰ったほうがいいと思うんだけど。ほら、お前空に会ってないだろ。空と会わせたくて」
あ、怖い笑顔じゃなくなった…。
よかった。
「空くん‼︎会いたい!」
だって8歳も年下なんでしょ。
「と、ゆーわけで飛鳥もばいばい」
と海が私の腕を掴んできた。
「なんだよ、別にそこまで急がなくてもいいじゃん」
と言っていた飛鳥は放っておかれていた。
***
「…でも、そこまで急ぐ用事でもあったの?」
私はそう海に尋ねた。
「…空が怪我したけど、家に誰もいないからって。そしたら俺送れないし、ここの倉庫の人割と早めに帰っちゃうから」
そっか。え、呑気なこと言ってられないじゃん。
てか大丈夫なのかな、空くん。
「だからちょっと早く行くけど…大丈夫か?」
海が心配そうに尋ねる。
そっか。私、さっき吐いちゃったんだもんね。