「また春瀬さんって…」



眉を下げて、呆れてるのか本当に面白がっているだけなのかよく分からない表情で笑う彼。



「名前で呼んでよ」



「え、お名前って…」



失礼ながら名前を覚えていないという大失態。昨日聞いた記憶はあるんだけどな…。



「飛鳥だよ、あすか。ほら呼んでみろよ」



「あ、飛鳥、さん…?」



「別にさん付けしなくていいよ。オレよく年下にも呼び捨てにされてるし」



え。



だって絶対飛鳥さん年上なのに…。



私は大体、年上の人にはさんをつける。



だって1年だろうがなんだろうが、私より長く生きてるから。