「お母さん、行ってきます!」
私はリュックを片方だけ肩にかけて、今日も学校へと急ぐ。
私は高3で、友達にも多少恵まれてる。
1年の頃は誰も知り合いがいなくて心配だったけど、あっという間に友達ができて本当に良かった。
「ヤッホー、海華!」
と、とある女の子が私の机に挨拶をしに来てくれた。
「朱里!」
この子は私の友人の朱理。
元気系の女の子で、私がこの学校で最初に仲良くなった人だ。
彼女は目がぱっちりしていて、眉がすっと整えられている。鼻は小さいからそこまで目立たないけど、でもそれが目の大きさをより強めていた。そして少し癖のある黒髪をひとつに結んでいて、いつもそれは寝癖なのか元気に跳ねていた。
私が一人ぼっちでいたときに声をかけてくれて、私がどんなに嬉しかったか。
「ねね、そういえばさ」
「何?」
なんだかすごくニヤついている朱理。
あんまりいい予感はしない。
「今日転入生来るみたいよ!しかもすっごいイケメンの!」
そう。
朱理はメンクイなのだ。
折角可愛いのに、こんなにメンクイじゃ彼氏もできないわけだ。