「それに、そんな中途半端な事したら気を持たせてるみたいで悪いだろ」




ちょっと照れたように手で顔を隠す彼。


え…。



そういうことだったのか。



なんだかちょっと嬉しくなる。



この人は、ただ冷たいだけじゃない。



冷たさの中に、優しさがあるんだ…。



そう、分かった。



「じゃあ、そうと決まれば倉庫に行くぞ」



「え…って、わあっ⁉︎」


私はひょいと担ぎ上げられてバイクに座らされた。


「捕まってろよ」



と言われて、私は海の腰のあたりを掴む。