「でも、海はそこまで嫌じゃないって思ってるでしょ」
朱里がニヤつきながら私を見る。
まあ、確かに。
だって昨日ので分かっちゃったもん、優しいって。
「いくら数年間離れてたとしても、恋はしないよね?」
朱里が念を押すように言った。それにこくこくと首を縦に振る。
うん。それはさすがにしない。
「海華」
朱里と話していると、頭上から海の声が聞こえてきた。
「オレ達の倉庫に行けって父さんが」
「え、なんで…」
暴走族になんか関わりたくないって思ってるのに…。
「2人とも仕事で遅くなるんだってさ。1人で置いておくよりは倉庫にいた方がマシだって」
ああ、そういうことか…。把握した。じゃあ、断りようがないな…。