鮎斗くんはカフェラテオンリー。
私に気を遣ったのかな。
ここのお店で一番安いものを頼んでくれた。
まあ、私的には別に高いのでもよかったんだけどね。
でもここは鮎斗くんの優しさに感謝しておこう。
「…鮎斗くんはさ」
私はそう切り出した。
「ん?」
「大学、楽しい?」
と言うと、鮎斗くんはすこし黙った。
「…勉強が全然分かんなくて萎えてる」
「それはわかる」
だって高校でも微妙だったのに、大学だと全然分かんなくなっちゃったもん。
でも、私としてはかなり頑張っていると思う。
「サークルとか入った?」
「なにも。うみちゃんは?」
「同じく」
なんだか大学って思ったより大変で、サークルなんて入ってる余裕なんてなかった。
「あ、あとさ鮎斗くんって好きな人できた?」
と言うと、ちょっと顔を赤くさせた鮎斗くん。
「え、別にいないけど」
いや、結構分かりやすかったよ今⁉︎
「さてはいるな。何年の人?」
「…いっこ上」
「先輩かー!…ってか私と同じ歳じゃん。いつ知り合ったの?」