後頭部に手を回してくるもんだから、息が続かなくても逃げられない。



飛鳥の胸を叩くと、ようやくキスをやめてくれた。



「ちょっ…酸欠になっちゃう…」



私は胸を抑えてぜーはー女らしくない呼吸をし、なんとか息を整える。



「呼吸は鼻でするんだよ」



と飛鳥が余裕面で言う。



そんなの知らん!



私恋愛初心者なんだよ!



そもそも人を好きになったのだって飛鳥が始めてなんだから、なにも知らないもん!



もちろんキスの仕方だって知らないもん!



てかなんとか私が勝つと思ってたのに逆転勝利じゃん…!



くそ、悔しい…!!



一応、それを無理やりにでも拒む方法はある。



でも、その方法があるにも関わらずそれを拒まないということは結構楽しんでるってことになっちゃうじゃん…!



なんて思いながらも、私は結局この後も、飛鳥のペースに完全に呑まれたのであった。