「たしかにそうなるとギクシャクしちゃうもんな。



けどさ、海だって空だって…それにお前の父さんだって、お前と会うのを楽しみにしてたし、お前と会うまでそれなりに緊張してたんだぞ?



それに、自分だけが困ってるとか、思っちゃダメだからな」



そう言って春瀬さんは笑った。



その笑顔は、何かを知っているかのようで見ていてこちらが辛くなるほどだった。



それを見た瞬間、自分の考えていたことがバカらしく思えてきた。



「…ごめんなさい、大西海と、それに春瀬さん。



私、ちゃんと話するから」



というと、何故か黙る2人。



「…」



え、そんな変な顔してた?と思い慌てて顔を隠す。




「…ぷっはははは!」




いきなり笑い出した春瀬さん。




「え、なんで笑う…」




「なんでオレのこと“春瀬さん”なんだよ。それに海のことだってなんでフルネームなんだよ…」



あー面白い、と笑ったまんまの春瀬さん。