「でも年上っていいよね〜、守られてる感じする〜」



木花さんが嬉しそうに言った。



「もしかして木花さん、年上の人と付き合ってたことがあるの?」



と私は尋ねた。



「そう。年上彼氏に振られて悲しんでたときに、蒼真くんが私を見つけ出してくれたの」



まじか。



なんかドラマっていうか…少女漫画みたい。



少女漫画のような話が割と好きな私にとっては、その話は結構聴きたい。



「最初は嫌だったよ、そりゃ。郁くんの方がよっぽどいいって思ってたよ。だけど気づいたら好きになってた」



わあ、すごい…。



私とはほぼ無縁な話だろうなってのは、聞いてて分かった。



郁くんってのは多分木花さんの元カレの名前なんだろう。



その人を好きだったのに、その人をも忘れさせられるってすごいな、蒼真さん。



「蒼真はモテるから大変だったんだよね。てか、みんな私と蒼真が付き合ってると勘違いしてたし。もちろん柚花も」



と谷川さん。



これも少女漫画らしい。



きっと木花さんは、ちょっとでも谷川さんに嫉妬しちゃったんだろうな。