なんだか、ちょっと考えただけで飛鳥に会いたくなっちゃった。



「あー、今完全に男のこと考えてたでしょー」



ギク。



谷川さんは勘が鋭い。



なんでも見透かされているようで、ちょっと怖い。



けど、そのまっすぐな目が私は好きだ。



「私はもう彼氏なんて作んないからさ。ほかの人の話で恋愛パワーをチャージしないとなの。私恋バナを聞くのは好きだからさ」



と谷川さん。



なんで彼氏を作らないのかな、ってちょっと気になった。



それは聞いてはいけないんだろう。



もしかしたら木花さんと谷川さんの中で暗黙の了解になってるかもしれないと思い、私はそれについては触れなかった。



「えーと、…」



「あー、あまりにも雑だったよね。年上?年下?」



モタモタと話し出そうとする私に、谷川さんが助け船を出してくれた。



すごい。こういうとこ気遣いできるの大人だな。



「…年上」



飛鳥の正確な年齢は知らないけど、確か20代だったような。



「へえー!私は同い年なんだ〜!」



と木花さん。



え、そうだったんだ。



普通に私、蒼真さんって呼んでたけど。



さん付けしてたのは年上かと思ったから。



でも会ったことないしこのままでいいか。