「送ろうと思ったんだけど…いらない?」
「えええええいるいるいる!」
私は即座に言った。
だってここから家までわかんないし。
飛鳥はそんな私にくすっと笑うと、ぽつりと呟いた。
「まあでも、海華に懐いたのには驚いたな」
「え…?」
私は振り返って、飛鳥を見た。
「日向は引っ込み思案だからさ。あんまり人とお喋りするのが得意じゃないらしいんだよね」
そう、なんだ…。
全然、そんな風には見えなかった。
「ま、明日とかもよければうちに来なよ。日向も楽しそうだし。…俺も、楽しみにしてるから」
袖で顔を隠しながら飛鳥が言う。
その言葉と仕草に、私はちょっとドキッとした。
「ほら、ばんざいして」
また…?
私は控えめにばんざいをする。