「はい。寒いだろうから、2人にココア淹れたよ」
飛鳥が2つのマグカップを持って、そっとやってきた。
「わあい!ありがとうおにいちゃん!」
日向ちゃんがとたとたと飛鳥に寄っていく。
「わ、バカ日向やめろ…!」
バランスを崩した飛鳥は思いっきり転んでー…。
びしゃ。
ココアが私の洋服に染みを作った。
***
「ほんとごめん…」
「ごめんなさい…」
しゅんとしている2人を見て、思わず顔が綻んでしまう。
兄弟揃って可愛い。
「いいって。別にそこまで熱くなかったし」
「いやでも、換えの服とか持ってないよな、俺準備してくるから」
「…うん」