こんなに近寄っても普段と変わらない様子なんだもん。

 好きって思ってるのはきっと私の方だけだよね。

 ――そして。

 暁斗は私の肩の上に頭を乗せてきた。

 暁斗のいつもの、休憩の取り方だ。

 まぶたを閉じて安らいだような表情をする暁斗。

 ――だけど、私は。


「お、お疲れなの? 暁斗」


 何気なく言おうと思っていたのに、緊張のあまり言葉が少したどたどしくなってしまう。

 だ、だって!

 大好きな暁斗に寄りかかられてるんだよ?

 心臓がドキドキしちゃって、息が止まりそうになっちゃっても、仕方なくない?

 思えば幼い頃から、暁斗はよくこうやって私の肩を借りてくる。

 いつから始めたのかは、私はすでに覚えていない。

 私の中にある一番古い記憶は、お互いが幼稚園だったと思う。

 中学生になったくらいから、「あれ……? こんなことをするのって、恋人同士とか特別な関係の人だけじゃない?」と私は思い始めていた。

 だけど暁斗は、幼い頃と変わらずに私の肩に寄りかかってきた。

 彼のことが大好きな私は、疑問に思いつつもそれを受け入れ続けたんだ。

 ――だって、やっぱり嬉しかったんだもん。