だけど暁斗の気持ちがどうであれ、私の暁斗への恋心は膨らむばかり。

 暁斗の部屋で、ゲームや映画を楽しんだり、こうしてたまに勉強を教えてもらったり、一緒にお菓子を食べたりして他愛もない話をする。

 こののんびりとしたまったりタイムは、私にとっては大好きな時間だ。

 ……というわけで、私はしばらく暁斗と一緒に明日の小テストの対策をした。

 わけのわからなかった文法も、覚えにくかったイディオムも、暁斗が教えてくれたらすんなり頭に入った。


「なんだ。花梨できんじゃん」

「えっ……。暁斗が分かりやすく教えてくれたからだよ」

「いや。花梨が頑張ったからでしょ。ね?」

「――!」


 私の顔を覗き込みながら、ポンポンと軽くたたくように、頭を優しく撫でてくれる暁斗。

 私を見守るように、包み込むように向けられる、暁斗の優美な瞳。

 ――ダメダメ、そんな目で見ないでよ。

 ますます好きになっちゃうじゃん、もう。

 でも暁斗は、私のことをきっとなんとも思っていない。

 だって暁斗は、幼い頃からこうなんだ。

 小さい頃から、私にはとても優しくて、こういう風にドキドキさせる行動をしてくる。