「花梨も勇気を出して、暁斗に告白しなよ」

「…………」

「言ってみなよ、自分の気持ち。……絶対……から」

「え？」


　花梨の言葉の後半がうまく聞き取れなくて、私は聞き返した。

　しかし瑠璃はすでに口を閉じて不機嫌そうな顔をしている。

　――絶対、大丈夫だから。

　そう聞こえた気がしたんだけど……。

　まさか、ね。

　だけど瑠璃の言葉の通りだ。

　今までは、どんな形であれ、暁斗のそばにさえ居られればよかった。

　暁斗が私のことを好きじゃなくても、友達として一緒に居てくれれば、それでよかった。

　だけど暁斗への気持ちが大きくなりすぎて、私はもうそれだけでは足りなくなってきている。

　暁斗の彼女になりたい。

　恋人同士になりたい。

　私をひとりの女の子として、ちゃんと見てほしい。

　今の私と暁斗は、心から繋がっている関係とは言えない。

　ニセモノの恋人同士で一緒に居ても、最近はずっと瑠璃や瞬くんの登場によって、やきもきしてばっかりだ。