「壮大なすれ違いだわ! ほんっと、馬鹿なふたりー!」

「え? それってどういうこと……?」

「ふたりとも意地張りまくりで馬鹿だなって言ってんの。あーあ、私もあんな奴好きだったなんて馬鹿みたいだわ。本当に好きな相手に好きだって言えない男なんかと」

「――え?」


 彼女の言っている意味がまるで分からない。

 私は首を傾げてしまった。

 ――すると。


「私はちゃんと言ったよ、暁斗に。どうしようもないくらい、本気で好きだって。今までだって毎日のように言ってたけど、言い過ぎて本気にしてくれてなかったみたいだったから、観覧車の中で改めて真剣に言ったの。ふられる可能性の方が高いって私だって分かってたよ。でもちゃんと想いを伝えたくて、言ったんだ。勇気を出して」

「そう……だったんだね」


 それで観覧車から降りた後からふたりの様子が変わったんだ。


「まあ、案の定玉砕したの。理由もちゃんと説明されてね」

「理由って……⁉」


 気になってしまった。

 瑠璃の口ぶりからすると、今は誰とも付き合う気がないとか、面倒だからとか、そんな理由ではないような気がした。