だけど暁斗は私を逃がしてはくれない。

 強い眼力を湛えたその瞳で、私を容赦なく見つめてくる。

 それにどうしても抗えず、私はストローを口に含んだ。

 暁斗はタピオカドリンクを飲みながら、少し微笑んでいるように見えた。

 きっと私は顔が真っ赤になってしまっている。

 どうしよう、近くで見られている。

 好きだってバレちゃうんじゃないかとか、近くで見る暁斗はやっぱりかっこいいとか、ドキドキしすぎて心臓が爆発してしまわないかとか、いろいろなことを考えて混乱してしまって、私は倒れそうだった。


「おいしかったな」


 少しタピオカの粒が残ってしまったけど、ジュースをあらかた飲み終えたところで、やっと暁斗がストローから口を離した。


「う、うん」


 私もやっと解放された気分になった。息を大きく吸う。

 鼻で呼吸ができていたはずなのに、どうしてこんなに呼吸困難になっているのだろう。

 思わず椅子に座ったまま、顔を手のひらで覆う。

 頬が熱い。

 うわー、絶対真っ赤になってるよ……。