そして瑠璃が簡単な自己紹介をして朝のホームルームが終わった後、彼女は真っ先に私の元へと来た。
「花梨、ずっとあの家に住んでたんだね!」
「うん、ずっといるよ。暁斗もね」
「そうだったんだね! 昨日引っ越しの片付けでバタバタしちゃって、挨拶に行けなかったんだー。行っておけばよかったよ。あー、本当に一緒で嬉しい!」
「私も嬉しいよ」
私も仲良くしていた瑠璃が転校してきたことは、もちろん嬉しい。
また一緒に仲良く遊べるって。
だけど、瑠璃が恋のライバルになる可能性を考えると、どうしても不安が付きまとってしまう。
「瑠璃ちゃんって言うんだねー。花梨や暁斗くんと知り合いってことは、昔この辺に住んでたの?」
沙也加がやってきて、瑠璃に話しかけた。
瑠璃は屈託なく笑って頷く。
「うん、そうなの! ふたりとまた会えたら嬉しいな―って思ったたんだけど、まさか同じ学校、同じクラスになれるとは思わなかったよ~」
「確かに凄い偶然だよねー!」