でも精神的に幼かった私は恋愛のいろはを理解していなかったためか、彼女が何をしているのか全く分からなかった。

 クラスの女子たちが好きな人やら恋やらを話題にしだしたところで、私もなんとなく恋愛について理解し、その頃瑠璃は私に自分の気持ちを言ってきたんだ。

 っていうか、私どころじゃなく暁斗本人にもよく「好き好き!」って言っていた覚えがある。

 瑠璃はとても積極的だった。

 さすがに、何年も離れていてまだ暁斗に対する恋心を持っているとは考えづらいけれど……。

 だけど、かっこよく成長した暁斗を見て、もう一度恋に落ちることはあり得るんじゃない?


「花梨と暁斗と同じクラスなんて超ラッキー! ねえねえ、あとでさー……」

「はいはい、感動の再会は後にしてくれよ。他のみんなが置いてきぼりだ。まずは自己紹介しなさい」

「あ、すみませーん」


 苦笑を浮かべる先生に注意されて、瑠璃はかわいらしくぺろりと舌を出した。

 クラス中が笑いに包まれる。

 明るい性格の彼女は、もう教室のみんなの心を掴んだようだ。