そんなある日私に転機が訪れた。あまりに冷たいこの環境を不憫におもった親戚が父に学生寮に入れるのはどうかと聞いてきた。父も私もこれに賛同し私は寮に入ることに決まった。このあと起こる酷く恐ろしい現実のことなど全く知らず、ただここから離れられる喜びを噛み締めていた。