魁運、おじ様、すてき! かっこいい!
これだから好きなんだよもう! よっ、最強親子!
……って、そうではなくてですね!?
まさかの知られていた!?
今世紀最大の秘密が!?
オーマイガー……。
極悪非道な連中(父さん含む)から守りたくて秘めていた。
だけど……なんだ。
守られていたのは、あたしだったんだね。
あたしがヤクザの娘だって知りながら、一緒に過ごしてくれていた。
あたしのより、うんとあったかくて、いとしい秘密。
安らかで、やさしい、大好きな場所。
ぜったいに奪われたくない。
「あたしのためっていうのは、魁運やおじ様がしてくれたことを言うんだよ」
「お嬢……」
「だからあたしは、彼らを選ぶ」
伝えなくちゃいけないことがたくさんあるの。
ありがとう、も。ごめん、も。
会って言いたい。
息が詰まってしまう前に。
「いけません、お嬢」
「ひとみ様、安静に」
立ち上がる寸前、右肩を兵吾郎、左腕を赤羽くんに押さえつけられた。
振りほどこうとするも、病み上がりなせいかうまく力が入らない。
「非を認めるつもりがないなら、ずっと外野にいなよ!」
「お嬢が危険にさらされた以上、放ってはおけません」
「倒れていたのは、十中八九、永鳥魁運が理由なのでしょう? ならばなおさら、行かせるわけにはいきませんよ」