「あなたたちは快のなんなの?
こんなことをするように、快に頼まれたわけ?
こういうの、快自身が迷惑がってるの知ってる?
快のこと好きならさ、どうして快が嫌がることを続けるの?
本当意味不明なんだけど」
バカにしたように私が笑いながら言い放つと
「いっ…」
「調子乗ってんなよ」
思いっきり、髪の毛を掴みあげられた。
そんなとき
「おっ…とー
なに、してんの?」
ここに、藤澤が現れた。
「…どうみてもいじめられてるでしょ」
髪の毛を掴まれた状態でそんなこと言う私もすごいと自分で思ってしまった。
こういうの、慣れてないんだけどな。
「へぇ、いじめ。俺の連れに、いじめ?
なにそれ超許せないやつじゃん」
そういって藤澤が近づいてきたら、あの先輩方は急に消えた。
「大丈夫?」
「え、あ…」
乱れた髪の毛を直すかのように、藤澤が私の頭を撫でた瞬間、私の足が崩れ落ちた。
「ちょ、どうした!?」
「……怖かった」
「え?」
「こわ、かったよ」
呆然とそう言った私に、藤澤はフッと笑って、また頭を撫でた。
「よく頑張りました」
その言葉に、私の目から涙が出てきた。
本当に怖かったのか、自覚なんてない。
でも…味わったことないことだったから、急に緊張の糸が切れたのかもしれない。