それからひたすらレジ打ち続け、30分がたった頃私のレジは止められた。


「宮瀬さん、シールねー」

「はーい」


レジの点検をして、レジを出て
スイーツやサラダの値引きシールを貼りに行く。
閉店の準備の始まりなんだ。


「30分で戻ってきてねー」

「…がんばりまーす」


相変わらずのチーフの厳しい要求もあって、まだ新しい子見れず…
てかまだいないのかな?初心者マーク…ついてたレジないもんね…?




値引きを始めると多くのお客さんに囲まれるから、それが嫌でとにかくさっさと日付を見ながら値引きをして行く。

私が入った頃は値段によって30円引きとか50円引きだったけど、ここ最近は全部3割引き。
だからめっちゃ簡単になった。



他にも練り物やお肉、魚、最後の惣菜まで
値引きはまだまだしなければならないけど、それはもっとベテランな人たち。

私は大抵あとレジを打ってるだけなんだよね。


「終わりました~!」

「お、はやいじゃん」

「今日デザートがあんまりなかったんで」


戻ったらまだ6時50分。
20分しかたってなかったみたい。


「んー、じゃあ少し時間が早いけど先に説明しとこうかな」


ん?説明?え、なんの?
なんか新しい事始まるの?


「宮瀬さんももう働いて1年がたつことだし
そろそろ新人さんの面倒を見てもらおうかなって思って」

「え、え!?
私がですか!?

え、てか私でいいんですか?
もっと他にベテランさんいるのに…」

「いいのいいの。
それで宮瀬さんも一緒に成長できるし、年齢近い方が新しい子も緊張しないし。

ほら、宮瀬さんのときだって武本さんだったでしょ?」

「あー、確かに…」


そういえば私の教育係も、もう就職してやめちゃったけど大学生の武本さんだった。

まぁ結局緊張してたんだけど。


「ま、仕事だからお喋りになっちゃだめだけど、私たち大人が注意すると怖いみたいだから」

「だってチーフ怒ると怖いですもん」