それから私たちは、私の希望で牛丼チェーン店へときた。
「莉乃さん、本当にこんなとこでよかったんですか?」
「うん!実はきたことなくて、一回来てみたかったんだー」
オーダーしてすぐ出てきた牛丼にいただきますをして、私はさっそく食べ始めた。
「まぁ、莉乃さんがいいならいいんですけど」
「いいのいいの。
それに、こういうところの方がデートっぽくなくて、誰かに見られても親戚のお姉さんって感じでしょ?
「ってか莉乃さんが親戚のお姉さんに見えるって、それどういう基準なんですかね」
「単純に、彼女だとしたら釣り合ってないからじゃん?
快の彼女はもっと可愛い子ってみんな思ってるんだよ」
「莉乃さんも十分可愛いと思いますけどね」
「…快、そういうこと言うから女の子にモテちゃうんだよ」
「いや別に誰にでもいうわけじゃないですよ。
…莉乃さんじゃなきゃ言わないですよ」
・・・・ちょ、ちょっと待て。
なにこれ、どういう空気なん。
牛丼屋で、牛丼目の前に、どんな話してるの、これ。
え、今時大学生ってこんなん普通?
私が免疫なさすぎるだけ?
え、と
これって特別な意味ありますか?どうですか?
誰か教えてくれ!!
「あ、そうだ
莉乃さん連絡先教えてください」
「え、あぁ
うん」
…なんか、普通だな。
快にとってはやっぱり普通のことなのか。
しっかりしろ、莉乃。
私のが年上なんだ。
年下に翻弄されてどうするんだ、まったく。
経験が足りなさすぎるぞ!!